インプラント 東京のこんな利用法

エンジンルーム内の空気のj耐-までも考え、心地よいトランクの容積を大きくするのに、カタマリ感のあるスポーツ車としてのサウンドをつくりあげた。 そのグループの一員だった商品監査室の担当員(係長職)のKの話を聞こう。
「加速のリニア感をどのようなサウンドで表現するか?ではかなり論議しました。 普通のクルマにおける音対策は、ともかく静粛にすることが主眼ですが、そうした方法ではセルシオやクラウンになってしまいます。
それではアリストに求められているスポーティな感覚とは遠くなってしまいますから」Kは、もともとは音や掻動の専門家というわけではない。 大学では電気工学を学んだがTに入って実験部門に因されてから、実地に音や掻動の勉強をしたという。
一九八八(昭和六一ニ)年の入社だから、グループとしてはまだ若手のほうだ。 北海道の札幌出身で、室蘭工大を卒業して、クルマつ〈りをやってみたくてTを志望したという。

実験部門を経て四年ほど前に開発センターに移り、現在はユーザーの立場に立って開発中のクルマの性能を評価する商品監査室に所属している。 「僕が感じているのは、このアリストは数多いT車のなかでも、非常にチャレンジ的な要素の大きい商品だということです。
ただ高級というのではなく、性能の高さを主張しなくてはなりませんが、こうした開発は面白いけれども難しかったですね。 やっているグループの人間の思いもかなり揺れ動いて、やっとここまで来たという感じです」胸のすく加速感と心地よいフイリングを求めてNのもとで、騒音・振動関係とエンジン駆動系のまとめ役を務めた、第一センターの製品企画部門の担当員(係長職)のIは当時の苦心について語る。
「Kさんもいっていますが、このクルマの場合は騒音・振動についての基末的な課題は絶対量を落とすことではなくて、エンジンのサウンドを、どのように聞かせるか?にありました。 それがスポーティセダンらしさを演出するものであるからです。
使っているエンジンは、回転領域によってパルプタイミングを連続可変できるVVTIなので、出力のレベルは全回転域で相当高まっています。 エンジンから排出されたガスの流路そスムーズにして、エンジン側に掛かる圧力(これを背圧という)をすこしても低くすることができれば、エンジンの効率が上がって出力がより出ることはわかっていますが、その場合にどんな音になるかが非常に心配でした。
この検討にはかなり時間がかかりましたね。 排気系のチューニングのために、エンジンの開発陣と一緒になって、夜中のあたりが静かな時閉そ選んで集まっては、試作した排気系のサイズをすこしずつ容量の大きいものに取り替えて、最適なサウンドへのトライを続けました」Iは早稲田大学の大学院で機械工学を学び、一九八二(昭和六二)年に入社した。
実験部門でFRの乗用車の、おもに駆動系からの騒音・振動一本に取り組んできた。 一九九一(平成三)年からはクラウン/アリストの騒音解析の拘亙となった。
製品企画に転じたのは、九五年の秋からで、まだ臼は浅いものの、実験部門と企画部門とその立場は違ったものの、騒音・振動の専門家として、アリストならではの『聞かせたい音リサウンドと、聞かせたくない音リノイズ』とのメリハリをつくることに頑張った。 音や振動はム-ドづくりの要素が大きいが、実際にアクセルを踏み込んだときのスムーズで力強い加速感や、高速道路で助走ラインから本線に入って行くときの、心地よい加速のフィーリングは、エンジンのパワ-とともに、動力伝達系の性能に依存するものだ。
こうした走りの性能に関して、Nの指示したものは、まさしくエキサイティングな『胸のすく加速感』の実現であった。 このハンドリングや加速性能、さらには安全性についての実務的な部分を担当してきたのが、Yである。
彼はGと同じく製品企画の主担当員(課長職)であるがした性能面の統括とともに、デザイン部門とボディ設計の橋渡し役としても重要な立場にあった。 地元、愛知の出身で名大工学部を卒業して一九八O(昭和五五)年にTに入社してから、ずっとシヤシ-設計に席を置いていた。
彼の手掛けたサスペンションは、現行のスープラやソアラ、さらにセルシオなどのものがあり、世界中の道を走り回っているTの主として高級なFR車に搭載されている。 設計部門から企画・開発の立場になったのは、このクルマの企画が始まったころからだが、その長い設計での蓄積は大いに役に立ったはずである。

「このアリストに関しては、先行開発の段階から携わっています。 仕事はこのクルマの重要な目玉であるパッケージングをどうするか?が主でしたが、それを達成するためには脚回りやボディ関連の装備についての見直しにもタッチしています」という。
ラゲッジスペースを広くするために、燃料タンクを背負い型から後席の下に移して、形状も鞍型に変更した。 「開発時期がちょうとセダンの販売が最悪のころでしたから、そのなかで新しいモデルを計画して行くプレッシャーはありましたね。
トップからも販売部門からも、ともかく絶対に売れるスタイリングにしてくれ、と厳しくいわれていましたので、それにはデザインがもっとも大切だという方針を立てました。 ですから、デザイナーに完全に主導権を与えてレイアウトを進めたわけです。
まあ、ことばは悪いのですが、デザイナーの好きにやらせた、ということでしょうね。 ただ、より高性能にする必要はありましたが、この点に関していちばん苦しんだのは『通常域ていかにすれば高性能を感じさせることができるか?』ということなんです。
試作を繰り返していって現行車との対比ては相当レベルアップしたというところで、ちょうどメルセデスベンツやBMWからも新車が登場してきました。 さ大胆な造形を提案したインテリアB案。
このイメージが最終的に残ったのだった。 っそくそれらと比較してみますと、彼らも非常に水準が高くなっていました。

なかなか満足のいくものができなかったので、それをやり夜すといった作業もあり、大変な時期があったと思います」そうしたなかで、常用域で高性能を乗り手に感じさせるためのチューニングが進められた。 もっとも大切にしたフィーリングである。
ごく微量の舵角を与えたときの感じのような微妙なハンドリングの昧をつくるには、計算とかシミュレーションといったものでは到底解明、できないのである。 「わずかにハンドルを切ったときの剛性感は、軌縦した人間の研ぎ涜まされた感覚によって細かくチェックしていきます。
これには、かなり時聞がかかりましたが、だいたい担っていたものが出ていると思っています」と吉田はいう。 高級車というものは、素材はそれはどどのメーカーのものでも違つてはいない。
技術面でも、最近のように進歩していると基礎的なところは変わらない。 しかし、ヨーロッパの高級車にはその銘柄なりの昧が出ているし、アリストもそれらとは異なるもので、しかも良い味わいをつける必要があった。
「横並びではいけないのです。 すこしでも、よいフィーリングを感じさせるものをつくっていきたい。
それには、どうやって磨き上げていくかということに尽きるわけです。

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